謎のパン屋「Julie‘s shop」について

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セブ島には、そこら中に謎のベーカリーチェーンが存在している。歩いていても10分おきには見かけるのではないかと思われるそれらは、1980年代のアメリカを連想させるようなポップなデザインと、懐かしさを感じる古風でシンプルな佇まいに、なぜだか吸い付くように魅せられてしまう。

今回は、そのベーカリーチェーンの歴史と、地元民の話についてまとめてみる。

目次

ベーカリーチェーンはどのように地域に根付いているのか

このサイトによると、フィリピンには6つの有名なベーカリーチェーンの会社があるらしいが、うち2つはセブ島にもあるけどパンというよりお菓子の店(Goldilocks,Red Ribbon)で、残り3つはセブ島内では見かけない(Bread and Butter Bakeshop,Pan De Pidoro)ので、セブ島の中だけで言えばベーカリーチェーンはJulie’s Bakeshopとmaiqui’s bakeshopが二大巨塔としてフィリピン人の食を支えている。

地元のフィリピン人に、どのような状況でこれらのベーカリーチェーンを利用するのか聞いたところ、主に労働者が昼食や軽食として携行するものを買いにくるらしい。朝食にも食べるのか聞いたら、「朝はミルクとシリアルかライスだから、あまりパンは食べない」と言われ、おやつとしてもよく食べるのか聞いたら「いや、全然」と言われた。フィリピン人はお弁当を作る人もいるものの、作らない人の方が多いので代わりにパンを買うようである(ただし、私が尋ねたフィリピン人がそうであっただけで、それが一般的な回答であるかは不明)。フィリピンには屋台が多いものの、それは持ち帰るよりその場で食べる場合が多いのと、朝はまだ開いていなかったりするので、コンビニのお弁当の代わりに利用しているようである。ちなみに海外のコンビニでは、ホットスナックは売っていてもお弁当を売っていることはほぼ無い。しかしなぜこんなにも大量に店があるのか聞いたら、「仕事を得るためじゃない?」と言われた。

ベーカリーチェーンが売っているパンは工場で作られているが、セブ島内に工場はなくて、マニラから輸送してきているそうだ。消費期限は1ヶ月以上あるらしいから、セブ島内で作らなくても大丈夫らしい(これも真偽は不明)。

Julie’s Bakeshopの歴史

セブ島内で最も店舗数があるJulie’s Bakeshopは、1981年1月6日のセブ島のマンダウエ市から始まった。創業者であり、ロゴの女性のモチーフにもなっているジュリア・ガンディオンコ夫人は、元々1970年代には3つの食堂を経営していたのだが、その際今後の食堂事業においてパンの必要性が益々高まっていくだろうということに気付いてパン事業を始めたらしい。40年以上経った現在では、450以上の店舗と100のフランチャイズを持ち、フィリピンの商工会議所やフランチャイズ協会などからいくつもの賞を受賞したようである。「フィリピンのコミュニティを養う」のが使命らしいのだが、確かに1つ6PHP(15円くらい)〜くらいの異様とも言える安さで売っているので、これに助けられた人たちも沢山いただろうなと思った。

ちなみに、もうひとつのセブ島内でメジャーなベーカリーチェーン「maiquie’s bakeshop」は割と最近流行り出した店らしく、地元のフィリピン人には「ここ数年で店を出し始めたこと以外何も知らない、商品もJulie’sとほぼ変わらない」と言われた。チェーン店なのに、公式Facebookしか情報がなくて、何もわからなかった。

パンの味と感想

今回私は、紫のウベ チーズ デ サル(12PHP、30円くらい)と、チョコ味?の何か(8PHP、20円くらい)を購入。うーん、どちらも砂糖の結晶がバリバリ音がするくらい残っていて、非常に甘い。長期保存する食品には砂糖を大量に使うものなので、これなら1ヶ月保存できてもおかしくないなと思った。

味は、甘すぎて正直よくわからない。でも、もし小さい頃からこれらを食べて育っていたなら、すごく美味しいと感じてハマっていただろうなと思った。水分がほとんどなくて、ほぼクッキーみたいな食感だったが、それも長期保存を考えれば納得のいくものだった。お店に置いてある時点でだいぶ日は経ってるだろうなという感じはした。紫の方は中にチーズ?の餡が入っていて、ちょっと特別感があるし美味しいと思った。

まとめ

フィリピンでは、マニラ、セブ、ダバオなどの各地で沢山のベーカリーチェーンが営業している。労働者は昼食や軽食用に安く購入することができ、店のオーナーはベーカリーのおかげで仕事が得られているので、全ての人にとって手助けになるありがたい存在である。パンは長期保存にも適しているため、廃棄ロスが少なく、もし廃棄になっても豚の飼料になるから環境にも優しいものとなっている。

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この記事を書いた人

月光のアバター 月光 中卒フリーター

高校を三回中退し、精神科の閉鎖病棟に二回入院し、二十回以上転職した人です。最近は小説を頑張って書いています。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • ポンパドールやサンジェルマンではお目にかからない色具合のパンじゃね~
    値段が安いのは助かるだろうけど・・・

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