タイミートラベルから考える地方創生と未来の働き方

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スキマ時間にすぐ働ける、のキャッチフレーズで知られるスポットバイトの求人アプリ「タイミー」。タイミーでは働いた時間や回数につれてワーカーのランクが上がっていくのですが、私自身も最高ランクであるMASTERまで働くほどタイミーを活用しています。

今回私は、タイミーが提供しているサービスの一つである「タイミートラベル」を利用して地方まで5日間働きに行ってきました(実働は4日間)。そこで感じたタイミーの良さや、地方創生の手段などについてまとめていきます。

目次

タイミートラベルとは

株式会社タイミーが提供するサービスの一つで、ワーカーが地方で働く経験を通じて「第2の故郷」を見つけてもらうことを目的としています。地方ならではの仕事をしてみたり、その地の文化や人々と触れ合うことで、知ることのなかった地方の魅力に気づいたり、素敵な人々との出会いを体験することができます。

求人は4泊5日か6泊7日が多く、うち2日間は移動日で1日は観光日として設けられるため、就業自体は大抵は3日か4日に設定されています。職種は農業が多いものの、カレー屋さんや革製品の縫製所だったり、学生寮の管理業務や牡蠣の養殖など、普通では体験できないようなバラエティに富んだ仕事が常時募集されています。タイミー自体は、求人広告の場を提供することと事業者とワーカーを繋げることがメインなので、事業者とワーカーがマッチした後は基本的にタイミー抜きで話を進めていきます。

事業者さんの目的

今回私は東北地方のとある工場でお仕事をさせていただいたのですが、そこで伺った話によると、

県が主導で地域活性化の事業を計画する→タイミーから県に営業が来る→県が市町村に事業者を募集する→市(町)役所が各事業者に声掛け→受け入れ先決定

という形で募集が行われたようです。県が主体となっているためか、タイミートラベルでの求人は大体が旅費の補助がついています。私が最寄駅に着いたときは町役場のかたが迎えにきてくださり、そのまま町案内もしてくださいました。その時、「とにかくこの町の人と色々話してもらって、交流していただけたらそれだけで嬉しい」というふうにお話しされていました。

受け入れ先の事業者については、タイミーでスポットの求人が出せるということを元々知っており、いずれはタイミーを導入したいと考えているそうなのですが、現在タイミーの求人は都心部が中心となっていて地方ではまだまだ存在すら知らない方も多いため、タイミートラベルのワーカーを受け入れることで地方でのタイミーの認知度を高めたいという目的があるとのことでした。

タイミートラベルの効果

全く異なる県から短期で人が働きにきた場合、どのような影響があるのでしょうか。

①地方の広告になる&経済効果がある

ワーカーさんが働いている間ほとんどの場合は宿泊所に泊まりながら生活するので、旅館や飲食店などにお金が回る他、地方のローカル列車の利用やお土産の購入など様々な経済効果があります。またワーカーさんは地方の魅力を知ることで、愛着を持ち人に話したり別の機会に旅行に来てくれる可能性があります。

②文化交流ができる

私たちは同じ国に住み、同じ言語を話していますが、それぞれの土地で違った環境や文化がありひとまとめにすることはできません。観光で来ると「わーすごい」で終わってしまうようなことも、数日かけて密に関わることで外国人との異文化交流のように違いを尊重しながらお互いが新しい発見を得ることができます。

③社内の雰囲気改善に繋がる

派閥やいじめ、御局様などに悩まされている会社は少なくないはず。流れない水は澱んでしまうように、人間関係も風通しを良くしてあげる必要があります。外部の人間が入ることで、見られている意識が雰囲気を良くしたり、外部と内部の差別化がはっきりして仲間意識を強める効果もあります。

④人手不足の解消

繁忙期だけ人を入れられるので、必要な時だけ人を雇うことができます。

⑤地方格差が減る

働く場所に縛られなくなることで、地方と都心の人がお互い行き来できるようになり、経済格差や賃金の差が減少していく可能性があります。また、都心への人口流失を抑えたり、逆に地方へ頻繁に帰ってきてもらえるようになるかもしれません。

タイミーの魅力

タイミーはその日の仕事を簡単に探せる、即仕事が確定できる、勤務終了後に即払いが可能なのが魅力ですが、私はそれ以上に他の派遣やスポットとは違う最大の魅力があると考えています。それは、労働者の権利が従来より大幅に強くなっているということです。

通常では、会社から決められた日に決められた時間働かなければならないですし、給料日や出勤日数も会社に合わせなければなりません。また、労働環境や賃金などに不満があっても、次の仕事が見つからないとかお金がなくなる不安から、会社の言いなりにならざるを得ない人もいるかもしれません。

また、普通は人を雇うときは会社がその人の学歴や職歴を見て判断しますが、しかしタイミーならワーカーが主体で仕事を選ぶことができるのです。給料や環境に不満があるなら即、他の職場を探すことができるし、居心地が良ければそこで直接雇用してもらうことも可能なのです。雇用者側の偏見によって差別されることなく、自分のスキルだけであらゆる職場を渡り歩いていけるのがタイミーなのです。

タイミートラベルもまた、応募要項に学歴や職歴などの記入は一切なく、事業者は写真と年齢だけを見てワーカーを選ばなければならないのですが、これに対して今回お世話になった事業者さんは少し不満を持っていたものの、私は未来の労働者の権利改善に繋がると希望を感じました。

タイミーという生き方

日本は高度経済成長期を経て豊かな国になりましたが、一方で人々は生きるために働いているという事実を忘れ、働くために生きているという人が増えすぎてしまったような気がします。

職場で偉くなったり、仕事ぶりを他人に認めてもらえるのは気持ちがいいし、貯金が増えていけば安心感もあります。しかし、元々は仕事というのは食べていくためにするものであって、そこで居場所を見つけたり、唯一無二の存在になろうとするのは本来の目的ではないのです。タイミーで仕事を探している方の多くは、タイミーでの就業先で居場所を見つけようという考えの人はほとんどいなくて、みなさん生きるためだけに働いています。仕事は仕事、と割り切っている方がスポットの仕事を続けていけるのです。

タイミーは「一人ひとりの時間を豊かに」をビジョンに掲げていますが、自分の体調や都合に合わせてシフトを自由に調節できるおかげで、私は休日に体調不良で寝込むこともなくなり自由気ままな生活を謳歌し時間を豊かに使えるようになりました。また、日本全国どこでも働けるようになったために、時間と場所の自由がある、まさに文字通りの「フリーランス」とも言える生活ができるようになりました。

これからの日本はゆっくりと時間をかけながらも、まさにタイミーのような働き方が主流となって、幹部職の人だけが直接会社に雇用されるようになるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

月光のアバター 月光 中卒フリーター

高校を三回中退し、精神科の閉鎖病棟に二回入院し、二十回以上転職した人です。最近は小説を頑張って書いています。

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